2017年10月31日火曜日

白馬岳(2932m)


   白馬岳は富山県と長野県の県境にある山である。非対称山稜で長野県側は急峻な崖を形成し、富山県側は裾を引いた形になっている。名前の由来は春、山腹に残雪と山肌が描く雪形が「代掻き馬」に似ているところから、「代馬」となり、「しろうま」となり「白馬岳」となったという。不思議なことに近くにある白馬山荘は「はくば山荘」、白馬大池は「はくば大池」、白馬村は「はくば村」と「しろうま」とは呼ばない(何故?)。また新潟県側からは昔は「大蓮華岳」と言っていたようで、周囲の小蓮華岳と白馬乗鞍岳を含めて新潟県側から蓮華の花の形に似ていることに由来しているようだ。

私が大学時代、ワンゲル出身の友人N君とテント泊で後立山連峰を縦走したのが白馬岳の初登頂であり、私の登山の初デビューでもあった。当時は国鉄大糸線「白馬大池駅」からタクシーで栂池自然公園まで行き、そこから歩いた記憶がある。今では麓からゴンドラにのりロープウェイを乗り継いで栂池自然公園にいく。初回は40年以上前、2回目は1987年に大雪渓から職場の仲間5人で登り、3回目以降は1993年、1997年、2013年、2015年、2016年と全て蓮華温泉からである。今回は2013年に登った時の印象深い時の記録を中心にして蓮華温泉からのコースを紹介する。

10月13日、14日の連休、天気予報は晴れ。今年最後の高山登山と決めて白馬岳を一泊二日で選択する。今回で5回目の白馬だが実に16年ぶりである。実は友人F氏が白馬岳に行きたいというので案内して行く予定であったが、身内に不幸があったというので急きょ私一人で行くことになった。前日土曜日の平地は雨。当然、高山は雪と予測していかねばならなかったが大糸線に車を走らせると前方に白い山(小蓮華山)が見えてきた。アイゼンはもとよりスパッツすら持ってこなかったので不安が募る。行ける所まで行こうと決心して蓮華温泉へ車を入れる。蓮華温泉付近は丁度紅葉の真っ盛りで午前7時半だというのに駐車場は超満杯、林道を少し戻り空いているスペースに駐車する。

蓮華温泉ロッジの裏手の登山口を出発(7:40)。歩き始めてまもなく温泉特有の匂いがする。蓮華温泉の周囲には数か所の小さな露天風呂(事前に蓮華温泉ロッジで入浴料を払う)があるのだが、最短距離にある風呂が登山道の間近にある。と言って覗けるわけではない。男女混浴なので、女性は水着で入っているようだ。

比較的緩やかな登りを折り返しながら登って行く。歩き出して1時間20分ほどで天狗の庭の見晴の良い場所に着く(8:58)。


近くにある唐松の葉は黄葉して、かなり葉を落としている松もある。針葉樹なのに落葉して枝に葉が空になるからカラ松というそうだ(あとで山の会の仲間に聞く)

 所々に急な場所もあるが森の中につけられた緩やかな道を歩く。次第に登山道に岩がちらほらと姿を現すころに、ザラメ状の雪が登山道を埋めはじめる。さらに登山道を岩が埋めるようになってくる。やがて両側の高い樹木が無くなり、視界が開けてくると間もなく正面に白馬大池山荘と白馬岳との分岐点につく。左に道を取るとすぐに白馬大池山荘に着く(10:02)。目の前には白馬大池が広がる。

  山荘の前はキャンプ場になっており、すでに撤収したテント跡は土が黒くスタンプのようになっている。しかし、晴れて気持ちが良いが風も強く寒いことこの上ない。ここまで半袖Tシャツの上に長そでシャツ姿だったが寒すぎてレインウエア―の上着を着用する。

分岐点へ戻り(10:15)、白馬岳への道をたどるが、ここからはずっと雪道となる。船越の頭(かしら)までザラザラとした道を登る(左:船越の頭、右:小蓮華山)



 振り返ると大池が青い。

  船越の頭を越える(11:02)と一旦、ぐっと下がる。そして登り返しは小蓮華山山頂への長い道のりだ。いくつかの偽ピークに騙されながらも我慢の登りが続く。途中の稜線は日本海側からの強風がすさまじくバランスを崩しそうになる。途中で小腹がすき、岩陰に隠れるようにして捕食。やがて小蓮華山に到着(11:55)。鉄剣が特徴の山頂である。

寒くて長居もできず、さらに視界の開けた白い稜線を歩く。遠く雪をまとった白馬岳の険しい信州側の崖が見える。

風は相変わらず強く寒すぎるので途中岩陰を見つけ風を凌ぎながらレインウエア―の下に、さらにダウンジャケットを着こむ。白馬山荘から降りてきた男性がいたので話を聞くと山荘出発時は気温0℃、風速15mとの話であった。

途中、岩に付着した水分は氷となり昼の太陽の光に輝いてダイヤモンドのように見えた。

写真を撮ろうとじっとしていると寒さがこみあげてくるのですぐ行動に移す。二重山稜に沿う道を抜け三国境への登りを前にして上を見上げると、やたらとガスが湧き出てきだしていた。あのガスの中に入ると氷が体に付着するかと思い、更に防御体制を固めてレインウエア―のズボンを穿く。いざ登ろうとするとガスは晴れ、青空が広がっていた。それほど風の流れが早い。三国境に到着(12:40)。ここは富山県と長野県と新潟県の三県の境になる。古風にいえば、越中と信州と越後の三国境だ。

三国境からは白馬岳直下の岩の急登になる。

3回ほど偽ピークに惑わされながらも白馬岳の山頂が大きく近づいてくる。山頂に近づくほどに雪と共に登山道に凍った所が目立ち始める。何とか登れるが、明朝の下山を考えるとかなり不安になる。アイスバーンをアイゼン無しで下りきれるのか?と。でも、ここまで来たからと登り切る。登り始めて5時間45分で山頂に到着(13:26)

近くにいた人に記念写真を撮ってもらうが、強風と寒いのとで早々に白馬山荘へ向かう(13:36)。山頂から下ること10分程度で山荘に到着(13:46)

山荘は1号館、レストラン棟は閉鎖。3号館のみでの営業だった。1号館と3号館の間の道は富山県と長野県の暫定的県境になっている。



部屋は10号室の8人部屋で6人の相部屋となる。同じ部屋の東京から来た大学生二人は本当はテント泊のつもりだったのが、あまりの寒さで小屋泊に変更したそうだ。部屋の中もかなり寒いので、ストーブのある談話室でビールを飲みながら本など読んで過ごす。皆さん考えることは同じで談話室は超満員状態だった。それでも食事は1クールのみで済む程度の宿泊人数だった。夕食後は小屋の前から立山連峰を裏から見る夕風景が見える。


消灯直前まで暖かい談話室で過ごし、寒い部屋に戻って布団にくるまって寝る。

2日目の朝は寒かったが、風は勢いを収めていた。朝食前に1号館の裏手から少し登ったところでご来光をみる。山頂まで登らずとも十分にご来光を楽しめる。
朝食後、午前6時35分小屋を出発する頃にはほとんど風を感じなかった。一夜明けるとこうも違うのかと驚く。天気も最高、眺めも最高!しかし、足元は凍っている場所が多い。私の登山靴はそろそろ買い替えないといけないと思っていた位、靴底の刻みがなだらかで、ひょんな事でも滑る。ストックはしまい込み自分の両手頼みで下山することにした。特に白馬岳山頂から三国境までの急な下りのあるところはヘッピリ腰姿で、手で岩をつかみ体を安定させながら時間をかけて下りて行った。スリリングで面白かったが、リスクの大きい山歩きとなってしまった感があり、今後の晩秋の山歩きでの反省材料だ。三国境(7:31)、小蓮華山(8:14)、白馬大池(9:34)、天狗の庭(10:22)、蓮華温泉着(11:31)。帰りの道はひたすら長い印象がある。


所要時間 往:蓮華温泉→白馬山荘 6時間6分 復:白馬山荘→蓮華温泉 4時間56分

 

  2015年10月3日、4日。2年前に一緒に行くはずだったF氏の初白馬岳登山に付き合う。超ハイペースとスローペースコンビの登山である。途中略。山荘は2年前と同様、3号館のみ営業。夕食も終わり談話室で持参した日本酒やつまみでF氏とくつろいでいると登山中に姿をみた外人グループが入ってきてくつろぎ始める。普段から外国人と接することが多いF氏は彼らに大いに興味をもち、付き添いの日本人スタッフから聞くと世界的に有名なサロモン所属のトレラン選手たちだそうだ。F氏もトレランに片足を突っ込んでいた関係で、何としても一緒に写真を撮りたいという。すでにめぼしいものが無くなっていた私達だが、F氏は話題づくりとばかりカリカリ梅を女性選手に言葉巧みに手渡して近づいていく。なんやかんやで彼らが回し飲みしていたウオッカなども飲んでチャッカリと記念撮影をしてもらったのでした。




 

 

 

1 件のコメント:

  1. 初冬の白馬岳、山肌は、白く雪化粧で綺麗な様相で、又、格別な登山でしたネ。寒さも厳しい一面も有り、安全登山、御疲れ様でした。サロモンのトレランチームとの懇親風景、懐かしく思い出しました。来年こそ、40kmコースのチャレンジと、フルマラソン完走を達成したいです。機会があれば、兄貴と御一緒、御願いしま~す。

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城ケ平山(446m)、峠山(477m)、ハゲ山(465m)

    いずれも富山市上市町にある山になる。標高こそ400m台と低いが、初冬には良い雪山歩きの道になる。城ケ平山山頂は別名、茗荷谷山(みょうがだにやま)といい、その昔、茗荷谷城があったとされている。山頂は開けて広く富山平野を一望できる。今回の紹介は12月中旬に城ケ平山ま...